前回のおさらい
マッサージやボディケアの上手い人は具体的にどういう所がうまいのかというと以下の3つがあるという事でした。
- 触ってほしい場所がわかる
- 適切な圧がわかる
- 適切な触り方がわかる
前回は、お客さんから「うまい!!」と思ってもらえるようにするための一例を挙げました。
あくまで一例をお話ししただけなので、実戦で利用できるかというとそれはなかなか難しいと思います。
今回はその一例を教わるのではなく、自ら作り出していくためにはどのようにしていけばいいかという、本質的なところをお話ししていこうと思っています。
わかりやすくする為に、前回のような工夫が生み出されていく中でどのような考えを巡らせたかについて追ってみようと思います。
少し硬くなってしまうかもしれませんがおつきあいください。
前回の工夫が生まれるまで
まず、お客さんに前回のような工夫を施す中で、何がきっかけとなったかという点ですが、もちろんお客さんから〈触ってほしい場所〉について何らかの訴えがあったからです。
たとえば、
「肩がしんどくて」
とか、
「この辺りがつらくて」(手を当てながら)
といった感じですね。皆さんも日常の施術の中で同じようにしていると思います。
それから触っていきます。
前回でも触れましたが、お客さんの反応があった時はそれが<お客さんの触ってほしい場所>により近づくためのヒントになるので、例えば
A「もう少し強くお願いします。」
とか、
B「あーなんかその辺りがしんどいの」
とか、そんな反応が得られたときはチャンスです。こちらはお客さんの触ってほしい箇所に、より近づくためのアプローチができるのです。
Aの「もう少し強くお願いします。」の場合だと、単純に圧を強めにして施術していきます。
圧を強めにして、「あー!!気持ちいい!!」「そこ!!そこがつらいの!!」という反応が得られたら、見事触ってほしい箇所に触れることが出来たことを意味します。
でも、そういう反応は得られずに、さらに「もっと強く行ける?」とかその部分だけ要求される強さが極端に強い場合などは、場所的には当たっているが何らかの理由で圧が届いてない可能性があります。
そんな時は表面の筋肉をずらして奥の筋肉を直接狙ったりします。
また、Bの「あーなんかその辺りがしんどいの」という場合は、当たっているかもしれませんが微妙にずれている可能性があるので、その周辺部を念入りに探していきます。
探して探して、ひたすら探していきますが、「そこ!!」という場所がなかなか見つからない時があります。そんな時にも表面の筋肉をずらして施術することを考慮に入れて施術していきます。
そうすることで、前回のような工夫が生まれるわけです。
でも、その狙いたい場所にどんな筋肉があるかわからない?
ただ、工夫したくてもその場所にどんな筋肉があるかわからないから触ることが出来ないという方もいらっしゃると思います。
そうなんです。
そこなんです!!
狙いたい場所を探していきたくても、いざ施術中となると調べるわけにもいきませんしどんな構造になっているかわからないことが普通にあります。
では、下の図を見てください。
出典:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版
上の図は勉強熱心な方ならすでに見たことがあると思いますが、背中から肩首の筋肉の図になります。
いま、赤いラインで囲った筋肉は僧帽筋という筋肉です。通常左右とも同じ筋肉があるのですが、この図には左側にあって右側にはありません。これは見やすくするために右側の僧帽筋を切り取った解剖図になります。
そうすることで、僧帽筋の下がどんな構造になっているかが一目でわかるようになるのです。
では、僧帽筋の下にある筋肉を見ていきます。今は例として説明しやすい棘下筋という筋肉に注目してみましょう。
今、棘下筋に青い枠をつけてみました。実際の棘下筋はもう少し形が違うのですが、わかりやすいようにこのような形で枠をとっています。
左側の青い枠を見てください。赤い枠の僧帽筋と重なっている部分があります。
このようなケースの場合に前回のブログで説明していたような、筋肉をずらして押さえていくという事をやっていきます。なので、この図でいえば僧帽筋をずらして、棘下筋を狙っていったりします。
実際は棘下筋を狙うのに僧帽筋をよけて押すことはあまりありませんが、わかりやすいように棘下筋と僧帽筋を例としてあげてみました。実際の例を挙げると斜角筋という筋肉を狙うのに僧帽筋をずらすことはよくあります。
興味のある方は一度斜角筋という筋肉がどこにあるのか調べてみてください。僧帽筋が重なっていることがわかると思います。
工夫をするために必要なこととは?
先ほどのように筋肉の解剖図があれば様々な工夫が思いつくようになっていきます。
という事は、結局工夫を生み出すには何が必要か??
答えは知識です。
お客さんから「ここがつらいの。。」という声を聴けたとします。
お客さんが言う『ここ』にはいったい何があるのか?骨か?筋肉か?靭帯か?
どういった構造になるのか?筋肉が複数重なっているのか?すぐ下に骨があるのか?
それらを踏まえたうえで施術をしていきます。
かたい部分の形状、大きさ、弾力を把握していきます。
把握したらそれがどの筋肉か想像ができます。
どの筋肉か想像できれば、その下にはどんな筋肉があって、その筋肉はどのように動いているのか?
そんなことを想像しながら押していけば新たな工夫が自然と出てくるわけです。
まとめ
知識があると施術の際の一押し一押しの重みが変わってきます。
押さえながら
「この筋肉が固いということはこういう動作がやりづらいのでは?」
そんなことを想像しながら施術すれば自然と工夫も生まれてきます。
工夫しながら押してみて、うまくいかなければ、そこから調べることもできます。
次回来店されたときに新しい知識からまた工夫も生まれてきます。
そのサイクルが続けばうまくなるスピードは格段に早くなるでしょう。
何も考えずにただ黙々と施術だけしていれば、少しづつはうまくなりますが、工夫しながら施術している人と比べて成長スピードは雲泥の差となることでしょう。
実際僕も何冊も本を読んできました。が、本を読んだとしても頭に入ることはごくわずかです。今でも役に立っている知識は壁にぶつかって、それを解消しようと調べた知識がやはり一番役に立っています。
最後に一つだけ、
調べた情報を試したいあまりにお客さんが嫌がっていることに気が付けなくなってしまうと本末転倒になってしまいます。勉強をすることは上手くなるうえで本当に大事なことです。が、ボディケアやマッサージはそれを施術する相手があって初めて効果を発揮する技術です。
必ず独りよがりな施術にならないように注意するようにしてください。こちらにも大事なことが書いてありますぜひ一度ご覧ください→「この人、マッサージうまい!!」と思ってもらう為に
このブログを読んで、その情報がお役に立てれば幸いと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
これにて「マッサージやボディケアのベテランはなぜうまいといわれるのか?」シリーズは終了です。
また、お役に立てる情報を更新していこうと思いますのでよろしくお願いいたします。
マッサージやボディケアのベテランはなぜうまいといわれるのか?シリーズ
マッサージやボディケアのベテランはなぜうまいといわれるのか?(その2)
マッサージやボディケアのベテランはなぜうまいといわれるのか?(その3)
マッサージやボディケアのベテランはなぜうまいといわれるのか?(その4)





コメント
ネットサーフィンでこちらにたどり着きました。
感覚でなく、論理的に解説してあり、大変勉強になります。
今まで「なんとなく」とモヤモヤしていたのがスッキリしました。
自分はキャリアが短く、今は「単調にならないような流れ」「作業にならないような施術」を模索しています。
もし、よろしければ、そういった記事をお願いしたいです。
よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます!!
お役に立てて非常にうれしく思っております!!
施術が単調になってしまうという事でお悩みとの事。
僕も昔同じような悩みを持っていたので、お役に立てると思うので、また記事にさせて頂きます。
しばらくお待ちください。
取り急ぎ、結論から申し上げますと、今のまま一生懸命お客さんと向き合っていれば自然と単調にならなくなっていきます。
というのも、自分の技術が<単調>と思っておられるという事は、「お客さんにもっと満足してもらいたい」「もっとうまくなりたい」という気持ちの表れだと感じています。
その気持ちを持ったまま、じっくり頑張っていけば絶対大丈夫です!!
取り急ぎコメントさせていただきましたがまた記事にしていこうと思いますので、しばらくお待ちください。
コメントありがとうございました。
riiti様
返信遅れてすみません。
新しい記事読ませていただきました。
私は性格的に、良くも悪くも突き詰めて考える傾向にありますので(苦笑)、
とても興味深く、食い入るように読ませていただきました。
多分こういう記事は誰でも書けるものではないと思ってます。
次回の記事も楽しみにしておりますので、お時間あるときに、どうぞよろしくお願いいたします!
いえいえ、とんでもございません。むしろ返信ありがとうございます!!
NRさんは突き詰めて考える傾向があるという事ですが、僕も突き詰めて考えてしまうほうで悩むこともよくありました!!
これも良し悪しですよねぇ!
また記事更新しましたのでよろしくお願いいたします!!