勉強してるのに治療できるようにならない。努力が報われない理由。

技術コラム

治療が出来ない時は本当に長くてつらい時期でした。

今回の記事では今だから分かる、治療とは直結しない勉強についてお話させてもらいます。

『治療』の出来ない自分にとっては、何とかしたいともがいているからこそ、いつの間にかこの落とし穴にハマってしまうんです。

この記事を読むと、治療が出来ない人がはまりがちな落とし穴を見つけることが出来るようになります。

では早速やっていきますね。

ノウハウコレクターへのスタート地点

僕は治療の出来ない治療家から早く抜け出したいと思い、なんとか治療が出来るようになりたくて色々なものを使って勉強しました。

もちろんセミナーにも何件も行きました。

選んだセミナーがよくなかったのか、治療に繋がるものをつかめません。

本を読んでも駄目。しかも医学書は特に高価です。

1万円を超える本なんてザラにあります。

何冊も買いました。

それでも駄目でした。

治療が出来るようになるためには『効果』を感じられるようにならないと駄目なんです。

でも、本を読んでも、動画を見ても効果を感じられるようになれないんですね。

サイトや本などの情報では治療できるようにならない

治療の出来るようになった今だから言えますが、サイトや本等の情報を頭に入れるだけでは治療が出来るようにはなりません。

本やサイトでは触り方や効果の感じ方について書かれているものは少ないです。

書いてあったとしても、文字にするとうまく伝わりません。

本やサイトでは解剖学の知識の拡張版だったり、運動方法などが書いてあることが多いです。

なので、それらの情報を詰め込んだとしても運動方法などが知識として入るだけで治療に直結しないんですね。

目の前の患者さんをどのように治療していくか?

そういった情報が当時の自分には必要だったんです。

一番理想的なのは目の前に患者さんがいて、その患者さんをテーマに触っていく。

触っていきながら、『治療家』のやり方を見て、

『なぜ、そんな風に触っているんですか?』

とか、

『僕はいつもこうしてるんですが、それじゃ駄目ですか?』

とか、

『この部分は普通じゃない場所だね。触ってみて普通な箇所と触った感じに違いがあるの分かる?』

とか。こんな風にアドバイスしてもらえるのが理想ですよね。

でも、そんな情報はあるわけがないです。

患者さんを実験台として扱うわけで、その時点で中々ハードルが高い。

そして、自分の技術をそこまで丁寧に教えてくれる人に出会ったことがないです。

さらに先程もいいましたが、そういう触った感触や施術の雰囲気といった情報は文字や映像という情報にしても伝えられないという現実もあります。

いくら、触った感触について文字にした所で伝わりにくいっていう事なんですね。

じゃあ、文字や映像では感覚などは伝えることが極めて難しいんですね。

その事が僕は見えていませんでしたし、その現実を見ようとしていませんでした。

なのに、情報ばかりを追い求めてしまったんです。だから僕は15年かかったんですね。

膝が痛いという患者さんが来れば『膝の痛い患者さんをどう診るか?』的な本を探して、読んでみれば運動方法や、解剖の知識の深堀の情報を得る。

で、治療できるようになったかというとそうではないんですよね。

でも、当時は『治療家』と思われる人が自分の知らない様な解剖の話をしていると

『うわ、この人すごい。めちゃくちゃ細かいところまで勉強している』

そんな風に感じてしまって、

『きっと、この人のようになれば治療が出来るようなれる!!』

そう思って知識を集めていました。

治療に直結しない情報を見分ける

今ならわかりますが、実際はその情報は治療に直結しないんですね。

でも当時はわかりませんでした。

なぜ、当時それがわからなかったんでしょうか?

それは、自分の中で『治療が出来た』という経験がなかったからです。

『治療が出来た』という経験がないので、何が大事な情報なのか選別できない状態だったんですね。

例えば、以下のように書かれていたらどう思いますか?

肩関節の運動は、上腕骨、肩甲骨、鎖骨、胸骨、胸椎、肋骨、腰椎、骨盤、大腿骨といった各部位が協調して動きます。
これらの要素の何処に問題があるかを評価しないといけません。
そして、その問題のある箇所にアプローチしていきましょう。

これで終わってしまう事も多いです。

そして、良心的な場合次のように続きます。

よくありがちなアライメントの異常は肩甲骨が挙上、前傾、外転、上方回旋、そして上腕骨内旋が起きるいわゆる巻き肩のような状態になっています。
こうなることで肩甲上腕リズムが正常ではなくなり、インピンジメントも発生します。

という感じですね。ありがちな悪いケースを教えてくれるわけです。

こういうケースになるとインピンジメントも発生してしまいます。という知識を提供してくれているわけですね。

当時の僕はこれを読んで

『なるほどなるほど、巻き肩の状態になっているという事だな。それからインピンジメントも発生するのか』

という風に思います。

でも、これでは治療できるようになりません。

なぜなら、それからどうすれば良いかがわからないからです。

評価する方法も載っていないし、アプローチの方法も書いていません。

治療の出来ない人にとって一番大事なのはこの部分が一番大事になってきます。

なので、治療がわからない状態の時にこの情報を得たとしても実際の施術には活かすことは出来ません。

だから、治療が出来るようになるためには治療するための経験を得ないといけないんですね。

これは文字でも映像でもかなり難しいです。が、時間をかければ少しづつ少しづつですが分かるようになります。

だから、時間をかければ独学でも可能です。

この問題を分かっていないと、わからないままずっと不安な気持を抱えます。

その不安な気持を何とかしたいという思いから開放されたい気持でイッパイになります。

そして、自分にとって必要な事がわからないまま手探りでそれらしい情報ばかりを集めてしまうことになってしまいます。

治療家になりたいのになれないと思っている人は『治療できた』という経験が必要になります。そして、それを学ぶには文字や映像では極めて難しいということです。

この事をしっかり覚えておいて下さい。

覚えた上で、勉強するための資料探しや自分に必要なものは何かを考えながらセミナーを選べば大外れすることはないと思います。

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