さて、前回個人事業主の稼働率についてお話をさせてもらいました。
軽くまとめると、稼働率から個人事業主がどのぐらい頑張っているかを判断することが出来るという事。その稼働率の求め方とその数値が示す意味を説明しました。具体的には、
稼働率40%⇒平日
稼働率50%⇒土曜、祝日
稼働率60%⇒日曜
稼働率70%⇒正月やお盆など、特別忙しくなる期間(店舗によってないお店もあります。)
という話でした。読んでいないという方はこちら→売上から見る時期とスタッフ満足度向上⇒スタッフ定着率向上(1)
今回は、もう一歩踏み込んでいきます。この店舗の月間稼働率という考え方は第三者と話をするときにも効果を発揮します。
例えばスタッフから求人をかけて欲しいと要求があった場合に数字を使用して話をすることでぶれることがありません。
特に、ゴールデンウィークやスタッフの病欠などあったときに、店舗の雰囲気が『人が少ない』となりがちです。その雰囲気に惑わされて求人をすることになると全体のモチベーションを下げてしまいかねません。
また、稼働率が十分ある状態にもかかわらず、売上が下がっているとします。上司やオーナーから今月の売上について追求されると、その追及を現場に持っていってしまう時があります。そんなときに、稼働率が高い状態であれば「スタッフは頑張っている、売上を元に戻すにはスタッフの補充が必要なので、求人に予算を入れて欲しい」と提案することも出来ます。
スタッフの頑張りを数字として見ることが出来ると、一定の基準を持つことが出来るので、第3者との話し合いをより価値あるものに変えることが出来ます。
さて、店舗の月間稼働率をどうやって求めていくか見ていきましょう。計算自体は+-×÷の四則計算のみなので、誰でも出来ます。ゆっくり理解して読み進めていってください。
店舗の月間稼働率を求める
計算式の説明や、話がややこしくなるのでまず概要だけ説明させてもらいます。
概要
店舗の月間稼働率を求めるにはある月の全スタッフの現場に入った時間数がわからなければなりません。個人事業主や社員なども含めスタッフ全員の時間数が必要です。
では求め方です。
- 全スタッフの月間時間数に1時間コースの料金をかけて、最大の可能売上を求めます。
- あとは、お店の売上金額が必要になってきます。これはわかりますよね?
- そのあと、その月の売上実績を最大可能売上で割ることで割合を出します。
以上です。
店舗の月間稼働率は44%~45%になります。この変動は一ヶ月の間で土日の日数が変動するので、幅が出ています。詳しくはこちら→月間稼働率がどのくらいが基準になるのか
44%を下回るのであればお客さんの量よりもスタッフの量が多いので、人員を減らすかお客さんを呼び込むようにしなければなりません。
45%を上回るようであればスタッフが足りていないと考えることが出来るでしょう。もちろん、頻繁にお客さんを断り続けているというようなお客さんの伸び代がある場合は求人をかけて人員を増やすべきですし、たまたま、お客さんが多かっただけの月なのであれば、何ヶ月か様子を見て決めるべきでしょう。
ただし、この数値は前回も説明させてもらったとおり平日(稼働率40%)、土曜・祝日(稼働率50%)、日曜(稼働率60%)という数字を基準に導き出しているので、この数字自体を参考に出来ないと考える場合は別で求める必要があります。
さて、各論に入っていきます。
月間稼働率とは
前回説明した稼働率は個人事業主がその日稼げる最大売上のうち実績がどのぐらいあったかという数値になります。
それに対し、月間稼働率はそれを一ヶ月にまで拡大した数値になります。
では、早速具体的に見ていきましょう。
個人事業主の(A)さんの月間稼働率を調べます。
(A)さんは一ヶ月間で176時間現場に入りました。実際の売上金額は28万円だったとします。
そのお店の1時間コースは3000円だとします。その月の最大売上金額を求めます。
176時間 × 3000円 = 528000円
実際の売上金額は28万円だったので、
280000円 ÷ 528000円 × 100 = 53.0303....(%)
となります。
(A)さんの月間稼働率は53.03%となりました。余談ですが、最近増えている格安料金のお店の場合だと、大体この稼働率で時給計算すると、時給900円程度になりますね。
さて、慣れるためにもう一度
今度は週2回休みで、一日大体10時間現場に出る(B)さんの場合を考えます。
(B)さんの11月度の売上は30万円で220時間現場に出ました。
(B)さんのお店では一時間コースが2980円だとします。
220時間 × 2980円 = 655600円
11月度の売上は30万円だったので、
300000円 ÷ 655600円 × 100 = 45.769....(%)
(B)さんの月間稼働率は45.77%となりました。
さて、計算方法になれましたか?これが個人事業主の月間稼働率になります。この計算は次の、店舗の月間稼働率を求めるための練習のようなものです。
この考え方を次はお店単位で考えるので、ついてきてくださいね。
店舗の月間稼働率とは
さて、店舗の場合は個人事業主全員の現場に入っている時間を考えないといけません。
先ほどと計算方法はほとんど同じです。計算の対象が個人か店舗かの違いです。早速いきますね。
必要になってくる前情報として、お店の営業時間と1時間コースの値段、その月の売上実績。
- 営業時間が11時~24時までの13時間
- 一時間コースが3000円。
- その月の実績が、135万円だったとします。
ここに、(C)さん、(D)さん、(E)さん、(F)さん、(G)さんの5人の個人事業主と契約していたとします。1ヶ月間現場に入っていた時間とその月の実績を下に示します。
- (C)さん:230時間、38万3000円
- (D)さん:225時間、35万6250円
- (E)さん:200時間、30万3000円
- (F)さん:195時間、29万2500円
- (G)さん:170時間、21万2500円
それぞれ1ヶ月間現場に入った時間から最大可能売上を出します。
230時間 + 225時間 + 200時間 + 195時間 + 170時間 = 1020時間
1020時間 × 3000円 = 3060000円
最大可能売上は306万円となります。
ここで、その月の売上と最大可能売上から割合を求めていきます。
135万円 ÷ 306万円 × 100 = 44.1176...(%)
44.12%が月間稼働率となりました。きわめて妥当なラインだと思います。
さて、もう一問やってみましょう。もうわかったという方は月間稼働率がどのくらいが基準になるのかに進んでください。
必要になってくる前情報として、お店の営業時間と1時間コースの値段、その月の売上実績。
- 営業時間が10時~25時までの15時間
- 一時間コースが2980円。
- その月の実績が、170万円だったとします。
ここに、(H)さん、(I)さん、(J)さん、(K)さん、(L)さん、(M)さん、(N)さんの7人の個人事業主と契約していたとします。1ヶ月間現場に入っていた時間とその月の実績を下に示します。
- (H)さん:235時間、38万円
- (I)さん:232時間、38万2000円
- (J)さん:225時間、33万1000円
- (K)さん:195時間、30万2500円
- (L)さん:185時間、29万2800円
- (M)さん:188時間、27万8000円
- (N)さん:170時間、19万円
それぞれ1ヶ月間現場に入った時間から最大可能売上を出します。
235時間 + 232時間 + 225時間 + 195時間 + 185時間 + 188時間 + 170時間 = 1430時間
1430時間 × 2980円 = 4261400円
最大可能売上は426万1400円となります。
ここで、その月の売上と最大可能売上から割合を求めていきます。
170万円 ÷ 426万1400円 × 100 = 39.8929...(%)
39.89%が月間稼働率となりました。やや低い数値となりました。スタッフが多い可能性があります。お客さんを増やすか、スタッフを減らす方法を考えないといけません。
月間稼働率がどのぐらいが基準になるのか
月間稼働率の基準ですが、その月の土日祝日の日数が変わると基準も変わるので、ある程度幅があります。
稼働率が最低の場合はその月の1日(例えば10月なら、10月1日、12月なら12月1日)が月曜日の場合です。このケースが一番土日が少なくなります。
稼働率が最高の場合はその月の1日(例えば10月なら、10月1日、12月なら12月1日)が土曜日の場合です。このケースは土日が最初に来るので、土日が最も多く稼働率が最大になります。祝日が増えた場合はその限りではありません。
それで計算すると、最低で44%、最高で45%となります。ちなみに、これは1ヶ月を30日として決めた場合で、より精度を高くするのであれば31日、28日のケースを考え月ごとに当てはめる必要があると思います。ただ、そこまで精度を高くする必要性自体がないと考えます。
まとめ
さて、店舗の月間稼働率を求めることでスタッフの人数と売上のバランスを数字で見ることが出来るようになりました。
つまり、今まで感覚的に「スタッフが少ないなぁ」とか、「お客さんが少ないなぁ」とか思っていたことが、この稼働率を求めることで一定の基準を持って判断することが出来るようになります。
ただ、問題があるとするとスタッフの時間数を把握しなければならないということです。それが仕組みとして備わっていないお店だとそれが大きな手間となる可能性があります。
うちのお店の場合は、時間数を把握する仕組みをシフト表に組み込んでいるので、シフトが完成すれば必然的に時間数が把握できる仕組みになっています。ちなみにシフト表はエクセルを使用しています。
参考までに、そのシフト表の作成の仕方を近々公開していくので、しばらくお待ちください。
最後まで読んでいただいてありがとう御座います。

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